地方自治体向けシステム導入プロジェクト

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県内で初めて「FAST財務会計」を導入。行政経営をスムーズに支援していく

2019年に総務省が「新地方公会計制度」を公表したことより、地方自治体は新たな悩みを抱えていました。北関東にあるS市もそのひとつ。「いまの会計システムのままでは、行政経営のさらなる充実と効率化を図ることは難しい」という課題に直面していました。
 
そこでジャパンシステムは、自社開発の行政経営支援サービス「FAST財務会計」の導入をS市に提案し、交渉を行い契約。本プロジェクトが県内で初めての導入事例となりました。導入以降、ジャパンシステムでシステムの保守を行いながらS市の財務会計業務を幅広くカバーし、行政経営をトータルでサポートしています。

FAST財務会計

全国270団体以上の地方公共団体で導入されている財務会計システム。財務会計業務のほか、行政評価や財政計画、公会計などにも対応しており、クラウド化や電子決裁も可能。単なる財務会計ソフトではなく「地域の課題解決を目指した行政経営サービス」として、自治体DXの推進を支援するソリューションです。

メンバープロフィール

 

Y.H

2007年入社。システムエンジニア(SE)。システムの基本設計書を作成。また予算編成システムのサブシステムの開発を担当。

 

T.C

2003年入社。プロジェクトマネージャー(PM)。ジャパンシステム側の窓口としてクライアントと向き合い、マネージャーとして作業状況を管理し、開発チームを率いる。

不利な状況が、提案チームのモチベーションにつながった

■導入のきっかけ

 

――まずは「FAST財務会計」がS市に導入されたきっかけから教えてください

T.C

展示会での提案がきっかけでした。2019年に参画した「JLIS(地方公共団体情報システム機構)自治情報化推進フェア」で、S市の行政運営担当者と出会いました。そして、その場で担当営業が「FAST財務会計」のデモンストレーションを行い、「S市の行政経営でこのように運用できます」と提案しました。
 
デモンストレーションの結果、「このシステムなら、S市の課題を解決できるかもしれない」と興味をもっていただきました。また、システム構築だけではなく、ジャパンシステムの保守サービスも評価されたのが大きかったですね。具体的には「業務システムごとに複数名体制で進めている」こと、「クライアントに向けて定期的に保守報告会を行なっている」こと、「親身なサポート体制」などを高く評価していただきました。
 
そして後日、改めてS市を訪問し、商談を進めました。実は、S市がある県ではまだ「FAST財務会計」の導入実績がありませんでした。しかし、その不利な状況が、提案チームのモチベーションにつながったんです。チームメンバーである担当営業、プリセールス、システムエンジニア(SE)たちが一丸となり、S市へのヒアリングを重ね、その都度課題を持ち帰り、粘り強く提案を行いました。
 
その積み重ねの甲斐があり、「ジャパンシステムさんにお任せすれば、目的を実現できそうです!」と声をいただき、無事に契約。行政経営支援サービス「FAST財務会計」を県内で初導入するという、大きなチャレンジが始まりました。

T.C

展示会での提案がきっかけでした。2019年に参画した「JLIS(地方公共団体情報システム機構)自治情報化推進フェア」で、S市の行政運営担当者と出会いました。そして、その場で担当営業が「FAST財務会計」のデモンストレーションを行い、「S市の行政経営でこのように運用できます」と提案しました。
 
デモンストレーションの結果、「このシステムなら、S市の課題を解決できるかもしれない」と興味をもっていただきました。また、システム構築だけではなく、ジャパンシステムの保守サービスも評価されたのが大きかったですね。具体的には「業務システムごとに複数名体制で進めている」こと、「クライアントに向けて定期的に保守報告会を行なっている」こと、「親身なサポート体制」などを高く評価していただきました。
 
そして後日、改めてS市を訪問し、商談を進めました。実は、S市がある県ではまだ「FAST財務会計」の導入実績がありませんでした。しかし、その不利な状況が、提案チームのモチベーションにつながったんです。チームメンバーである担当営業、プリセールス、システムエンジニア(SE)たちが一丸となり、S市へのヒアリングを重ね、その都度課題を持ち帰り、粘り強く提案を行いました。
 
その積み重ねの甲斐があり、「ジャパンシステムさんにお任せすれば、目的を実現できそうです!」と声をいただき、無事に契約。行政経営支援サービス「FAST財務会計」を県内で初導入するという、大きなチャレンジが始まりました。

 
■クライアントの課題と解決策

――S市は当時、どのような課題を抱えていたのでしょうか?

 
Y.H

S市は、市政の会計処理の方法を変える必要に迫られていました。事業の会計には、「発生主義」と「現金主義」という考え方があります。「発生主義」は取引が確定した時点で会計帳簿に記録する方法で、「現金主義」は実際に金銭が動いたときに記録する方法です。
 
いままで、地方自治体の会計処理は「現金主義」で行われていました。S市も同様です。しかし政府が2019年に「新地方公会計制度」を公表し、会計処理を民間企業の多くが取り入れている「発生主義」に変更することになりました。S市もどう変更すればよいか方法を模索していましたが、「FAST財務会計」を導入することで、スムーズにシフトすることができました。

Y.H

S市は、市政の会計処理の方法を変える必要に迫られていました。事業の会計には、「発生主義」と「現金主義」という考え方があります。「発生主義」は取引が確定した時点で会計帳簿に記録する方法で、「現金主義」は実際に金銭が動いたときに記録する方法です。
 
いままで、地方自治体の会計処理は「現金主義」で行われていました。S市も同様です。しかし政府が2019年に「新地方公会計制度」を公表し、会計処理を民間企業の多くが取り入れている「発生主義」に変更することになりました。S市もどう変更すればよいか方法を模索していましたが、「FAST財務会計」を導入することで、スムーズにシフトすることができました。

またもうひとつ、S市は「行政評価」の管理に関して課題を抱えていました。行政評価とは、市の予算配分や使用用途が適正かどうかを判断するもので、翌年度の予算編成に欠かせない大事な指標です。しかしS市はそれまで、行政評価をExcelで作成しており、予算編成のシステムと連携できなかったため、管理に苦労していました。
 
そこで私たちは「FAST財務会計」の導入にともない、「行政評価」と「予算編成」をデータ連携するシステム構築を提案。システム化することで、行政評価をもとにした予算編成の見直し、改善というPDCAサイクルを回し、計画的に財務会計業務を行えるようになりました。

T.C

T.C

またもうひとつ、S市は「行政評価」の管理に関して課題を抱えていました。行政評価とは、市の予算配分や使用用途が適正かどうかを判断するもので、翌年度の予算編成に欠かせない大事な指標です。しかしS市はそれまで、行政評価をExcelで作成しており、予算編成のシステムと連携できなかったため、管理に苦労していました。
 
そこで私たちは「FAST財務会計」の導入にともない、「行政評価」と「予算編成」をデータ連携するシステム構築を提案。システム化することで、行政評価をもとにした予算編成の見直し、改善というPDCAサイクルを回し、計画的に財務会計業務を行えるようになりました。

SEの仕事の半分はコミュニケーションをとること

■本プロジェクトの担当業務

――本プロジェクトにおける、お二人の担当業務を教えてください

 

T.C

私はプロジェクトを統括するプロジェクトマネージャー(PM)です。当社のチームを管理し、窓口としてクライアントと交渉するのが仕事です。
 
業務でもっとも大事なのは、開発の初期段階ですね。クライアントがどんな機能を必要としているかを漏らさずヒアリングし、「要件」として定義し、システムの仕様書をつくる。この手続きがとても重要です。ここでクライアントが要望する機能の詳細を詰めずに、ざっくりした仕様書をつくってしまうと、完成したときに「欲しい機能は、こういうものじゃない」と言われかねません。
 
本プロジェクトでも、最初にS市の要望を聞き、一覧表をつくって「実現したいこと、改善したいことはこういうことですか?」と、お互いの認識に齟齬がないように一つひとつ丁寧に確認しました。
 
この段階で認識の齟齬を発見することがとても重要です。たとえば今回は、「帳票の確認方法」について認識の違いがありました。私たちは「システムから画面上の帳票を出力して確認する」方法を想定していましたが、S市の担当の方は「画面上で確認できればいい」と思っていました。この段階で認識齟齬を細かく確認して潰し、開発段階へと進むことで、クライアントが求める機能を備えたシステムをつくることができます。

T.C

私はプロジェクトを統括するプロジェクトマネージャー(PM)です。当社のチームを管理し、窓口としてクライアントと交渉するのが仕事です。

 
業務でもっとも大事なのは、開発の初期段階ですね。クライアントがどんな機能を必要としているかを漏らさずヒアリングし、「要件」として定義し、システムの仕様書をつくる。この手続きがとても重要です。ここでクライアントが要望する機能の詳細を詰めずに、ざっくりした仕様書をつくってしまうと、完成したときに「欲しい機能は、こういうものじゃない」と言われかねません。
 
本プロジェクトでも、最初にS市の要望を聞き、一覧表をつくって「実現したいこと、改善したいことはこういうことですか?」と、お互いの認識に齟齬がないように一つひとつ丁寧に確認しました。
 
この段階で認識の齟齬を発見することがとても重要です。たとえば今回は、「帳票の確認方法」について認識の違いがありました。私たちは「システムから画面上の帳票を出力して確認する」方法を想定していましたが、S市の担当の方は「画面上で確認できればいい」と思っていました。この段階で認識齟齬を細かく確認して潰し、開発段階へと進むことで、クライアントが求める機能を備えたシステムをつくることができます。

私はSEです。PMが作成した仕様書をもとに、「FAST財務会計」をS市に合わせたシステムをつくりました。本プロジェクトはシステム内容ごとに5つのチームに分かれており、私はその中で「予算編成」と「行政評価」のチームリーダーを担当しました。
 
SEといっても、プログラムを書くのではなく、S市の担当職員の方と打ち合わせをし、基本設計書を作成するのが主な業務です。実際にプログラムを書くのはチームの他のSEで、私はリーダーとしてスケジュールや品質を管理しました。

Y.H

Y.H

私はSEです。PMが作成した仕様書をもとに、「FAST財務会計」をS市に合わせたシステムをつくりました。本プロジェクトはシステム内容ごとに5つのチームに分かれており、私はその中で「予算編成」と「行政評価」のチームリーダーを担当しました。
 
SEといっても、プログラムを書くのではなく、S市の担当職員の方と打ち合わせをし、基本設計書を作成するのが主な業務です。実際にプログラムを書くのはチームの他のSEで、私はリーダーとしてスケジュールや品質を管理しました。

本プロジェクトで大事にしたこと

――プロジェクトを進めるうえで大事にしたことを教えてください

 

Y.H

「FAST財務会計」は、カスタマイズや追加開発を行うことができます。本プロジェクトでもS市からの要望があり、少なからずカスタマイズを行いました。ただ、本製品のシステム要件がクライアントのニーズに合っておらず、「ギャップ」が生まれることがあります。私が重視したのは、このようなギャップが生まれたときに、いかに解消していくか、です。PMと相談し、S市の要望に応えられるよう、調整を重ねました。

Y.H

「FAST財務会計」は、カスタマイズや追加開発を行うことができます。本プロジェクトでもS市からの要望があり、少なからずカスタマイズを行いました。ただ、本製品のシステム要件がクライアントのニーズに合っておらず、「ギャップ」が生まれることがあります。私が重視したのは、このようなギャップが生まれたときに、いかに解消していくか、です。PMと相談し、S市の要望に応えられるよう、調整を重ねました。

ギャップの解消はプロジェクトの進行においてとても重要で、Y.Hさんがいたことで、かなり助かりました。PMとしては、これらのギャップやリスク、問題などをきちんと把握することが重要で、これができていないと致命的な納期遅延や予算オーバーなどにつながりかねません。
 
そのような状況を未然に防ぐためには、メンバーとのコミュニケーションがもっとも重要です。「課題はない?」「進捗状況はどう?」など細かく声をかけ、チーム全体の開発状況を把握するように心がけました。
 
Y.Hさんの業務もそうですが、SEの仕事はプログラミングだけではありません。チームへの「報告・連絡・相談」、そしてクライアントへのヒアリング、ときには金額や納期の交渉をするなど、社内へも社外に向けても、円満に仕事を進めるために活発にコミュニケーションをとっていくことが重要です。

T.C

T.C

ギャップの解消はプロジェクトの進行においてとても重要で、Y.Hさんがいたことで、かなり助かりました。PMとしては、これらのギャップやリスク、問題などをきちんと把握することが重要で、これができていないと致命的な納期遅延や予算オーバーなどにつながりかねません。
 
そのような状況を未然に防ぐためには、メンバーとのコミュニケーションがもっとも重要です。「課題はない?」「進捗状況はどう?」など細かく声をかけ、チーム全体の開発状況を把握するように心がけました。
 
Y.Hさんの業務もそうですが、SEの仕事はプログラミングだけではありません。チームへの「報告・連絡・相談」、そしてクライアントへのヒアリング、ときには金額や納期の交渉をするなど、社内へも社外に向けても、円満に仕事を進めるために活発にコミュニケーションをとっていくことが重要です。

■プロジェクトのやりがいと、誇り

――本プロジェクトにどのようなやりがいを感じましたか?

 

Y.H

「FAST財務会計」を県内で初めて導入する事例でしたから、やりがいは大きかったですね。社内でも期待のかかったプロジェクトなので、その分プレッシャーも大きかったですが(笑)。

Y.H

「FAST財務会計」を県内で初めて導入する事例でしたから、やりがいは大きかったですね。社内でも期待のかかったプロジェクトなので、その分プレッシャーも大きかったですが(笑)。

「FAST財務会計」を導入することで、財務データの管理や予算作成など公会計業務におけるシステム運用の負担が減り、業務を効率化することができます。そのことで市職員に余裕が生まれ、その分、市民の方々へのサービスを向上することができます。S市と市民のお役に立てることにやりがいを感じ、皆さんが喜ぶ姿を目指して日々業務に取り組んでいます。

T.C

T.C

「FAST財務会計」を導入することで、財務データの管理や予算作成など公会計業務におけるシステム運用の負担が減り、業務を効率化することができます。そのことで市職員に余裕が生まれ、その分、市民の方々へのサービスを向上することができます。S市と市民のお役に立てることにやりがいを感じ、皆さんが喜ぶ姿を目指して日々業務に取り組んでいます。

Y.H

予算編成は、どの自治体も共通して行う大事な仕事です。その業務は数値の正確性が要求され、ミスが許されません。さらに、予算編成は準備から議会で議決されるまで半年以上かかる長期業務であり、市職員は多忙で、とても大変な思いをされています。
 
そういった自治体が抱える課題を、当社のシステムを導入することで改善してもらうのはとても誇らしく、やりがいを感じています。行政サービスの品質が向上することで、市民の皆さんに喜んでもらえるのも嬉しいですね。そのためにも私たちはまず、システムの安定稼働を第一目標に、日々業務に取り組んでいます。

Y.H

予算編成は、どの自治体も共通して行う大事な仕事です。その業務は数値の正確性が要求され、ミスが許されません。さらに、予算編成は準備から議会で議決されるまで半年以上かかる長期業務であり、市職員は多忙で、とても大変な思いをされています。
 
そういった自治体が抱える課題を、当社のシステムを導入することで改善してもらうのはとても誇らしく、やりがいを感じています。行政サービスの品質が向上することで、市民の皆さんに喜んでもらえるのも嬉しいですね。そのためにも私たちはまず、システムの安定稼働を第一目標に、日々業務に取り組んでいます。

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