JAPAN SYSTEMS Driving for NEXT NEW with Comfort and Convenience

地方から世界をリードする「本物の豊かさ」を創る③「モノ・サービスも運べる」全国初の乗合タクシーをスタート。

ジャパンシステム株式会社 コンサルティングアドバイザー
一般社団法人 地方創生戦略機構 代表理事 中山 泰

ウーバージャパンと連携した新しい公共交通の実現へ!

京丹後市のケースのように特に都市部から遠方の地方にとって、公共交通の充実は、まちづくりの基礎として他地域以上に行政上重要で欠かせません。このため、前回のバス、鉄道を巡る取組みに続き、今回は、「タクシー」について市独自の取組みへと発展していった事例を御紹介します。

まず、京丹後市においてウーバージャパン(株)さんと連携したライドシェアの取組みはよく知られ始めていますが、実はそれ以前に、「乗合タクシー」の分野で、まち・ひと・しごと創生法の施行以降の“安倍・石破地方創生”の全国第一号となる取組みを行いました。

というのは、その1、2年前から、市内のまちなか地域でタクシー会社が事業撤退し、タクシー空白地域が生まれてしまったのです。これは、観光立市を条例で掲げ全市で頑張っているまちなのに主要駅などからのタクシーが不在というのは大打撃ですし、何より、高齢者層も多い中、円滑な住民生活の確保の上でこのままでは社会的に致命的な状況になりかねません。

そこであぶり出しのように浮き上がりの気づきを得たのが、「人を乗せるだけでは経営持続できない状況でも、モノを運びサービスも提供できる業務の幅をもつ新しいタクシーならどうだろう?仮にそれがいきなりペイできなくても、公益性のある新サービスなら軌道に乗るまで時限で最低限の行政予算を使うことも提案できる。」ということでした。

早速、国にこのための規制緩和を正式に要請し、首尾よく通達を出してくださり、全国初で乗合タクシーだけども人だけではなく、モノを運んだりサービスを提供できるようにしていただきました。例えば、朝市などへの小さな荷物を運送したり、運転手さんが病院予約や買い物代行をしたり、図書館に本貸出・返却に行くなどのサービスです。

さらには、せっかく新しい取組みを興すならまだまだ宝を磨ける、もったいないと、モノ・サービスに加えて、まちの「未来のユメ(夢)」も運べるタクシーにしたいと考え、新しい乗合タクシーを「電気タクシー」とすることを決めました。

これは単なる電気(自動車)タクシーではありません。将来、地域で生産した太陽光電力・廃棄物電力などの再生可能エネルギーでもって(住民生活への供給を進め「環境にやさしいまち」に貢献するほか)電気タクシーの動力ともするタクシー、いわば、環境にやさしい「まちづくりの夢」を乗せて走るタクシーです。これを、当時、国の改正地域再生計画の第一号グループの一つに加えていただき、平成27年10月からスタート、まちの夢を乗せて一歩を踏み出しました。タクシー空白地域という「困難」から、モノもサービスも、そして「まちの未来の夢」も運ぶタクシーという「宝」が生まれた事例です。

そして更に、この空白地域という困難は、もう一つの全国的な「宝」も生み出しています。京丹後市では、この挑戦へのチャンスの時期に、新しい乗合タクシーの導入に併せて、公共交通がぜい弱な地方ならではの、住民による「支え合い、活かされ合い」の新しい時代の公共交通体系を創ろう、と平成27年9月、「自家用車ライドシェア」の導入を目指す国家戦略特区へのチャレンジを行いました。自家用車を活用し住民同士が支え合って公共交通のネットワークを創ろうとする試みです。電気タクシーが「まちの未来の夢」を運ぶのなら、これはいわば、「支え合いの人の和」を創る交通です。

このことへの、地元のみならず全国のタクシー業界の皆さん、国行政を含む関係者の皆さんの反響はとても大きく、互いに真剣なご議論をさせていただきました。その後、何とか、既存の法体系(専門用語で「公共交通空白地有償運送」といいます。)を前提とする中で、ギリギリ、市内隣接地域の関係事業者を含む市公共交通会議のご了承も得て、市内NPO法人が運行主体となり昨年5月から、ウーバージャパンと連携したICTを活用する「ささえ合い交通」として、全国の先頭を切ってスタートしました。

なお、国家戦略特区による実施提案についても、喧々諤々のご議論を経て、その後、一部条件(対外国人旅客、交通過疎地等)が付与された上で改正法が成立、施行されています。運用の工夫次第で、必ずや「タクシー空白地域を対象とすることで運行地域への直接的な負の影響は遮断できる。のみならず、空白地域の交通がこれにより活性化することで、運行地域の一層のタクシー利用にも好影響がでる。地域・業界ともの『Both Win』につながる。」と確信しています。

困難の中に埋もれていた宝の原石から、まちと人の夢と希望の芽が芽生えつつあるかの様です。

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