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業務のIT化を考えるコラム⑤業務俯瞰図上に登場する各要素 その1(業務管理対象としての存在)

ジャパンシステム株式会社 コンサルティングアドバイザー
株式会社アトリス アーキテクチャー開発執行役員 長嶺 亮

前回は業務の仕掛けを表す「業務俯瞰図」の概要について、自治体の中の具体的な業務の一部を例として取り上げながら説明を行いました。

「業務俯瞰図」は、組織の業務的な管理対象を「コア」なのか、「イベント」なのか、その二つのタイプに仕訳けて組織の業務を表現する図です。

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【図-6】業務俯瞰図のイメージ (【図-2】再掲)

こうして業務の「仕掛け」を表現した「業務俯瞰図」ですが、ここに登場する「箱」や「矢印」の種類は無限に存在する訳ではありません。有限の要素を組み合わせる事で、業種・業態問わず、あらゆる業務を表現する事が出来ます。

今回はこれら業務の管理対象としての存在と関係性を表す要素の内、業務の管理対象としての存在の概念として「箱」の種類ついて説明を行います。

業務俯瞰図上の箱(業務管理対象としての存在)の種類

業務俯瞰図上に登場する箱には、紫色、オレンジ色、草色の3色の箱があります。組織の業務を表現する上ではこの3色(3種類)で足ります。

*箱の色は特に上記以外の何色でも構いませんが、当コラムでは3つのタイプを意識できるよう、便宜上、異なる上記3色を使っています。

コア:紫色の箱

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【図-7】「コア」の例

紫色の箱が「コア」を表す箱です。前回のコラムで具体例として取り上げた調定〜収納の業務における「調定」や「収納」が該当します。

「コア」は業務担当者にとって、業務の中核となる概念です。「コア」が存在するからこそ業務担当者は「コア」のクロージングに向けて様々な業務的な働きかけを施します。従って「イベント」には必ず関係する「コア」が存在します。言い換えれば、「コア」はその業務に関連する各種「イベント」を束ねる存在です。

また、「コア」にはそれが発生する契機となる「イベント」が必ず存在します。「コア」は発生の契機となる「イベント」により顕在化され、存在するようになります。存在する「コア」に対して、その「コア」の状態を収束させる為に、各業務担当者は様々な「イベント」をこの「コア」に対して施します。

また、ある「コア」に対して施された「イベント」が、別の「コア」の展開元になる事もあります。

イベント:オレンジ色、草色の箱

紫色以外の箱が「イベント」を表します。「イベント」には、オレンジ色の箱と草色の箱があります。どちらも「コア」に対する「イベント」であることには変わりませんが、発生の仕方、および、業務上の管理対象のタイプが異なるため色を分けて区別をしています。

オレンジ色の箱は業務を遂行する上で起点となる働きかけとなる「イベント」を表します。

草色の箱はオレンジ色の箱から導出される「イベント」です。草色の「イベント」は導出元となるオレンジ色の箱の存在を前提とし、「対」で管理する業務上の管理対象です。前回のコラムで具体例として取り上げた調定〜収納の業務における「請求行為」がオレンジ色の「イベント」、「収納行為」が草色の「イベント」に該当します。

収納行為は請求行為に対して対で管理する業務「イベント」です。請求行為に対してその通りに収納行為がされる場合もあれば、その通りにされない場合もあります。両方の「イベント」をセットで管理する必要があり、請求行為(オレンジ)に対する収納行為(草色)として管理する「イベント」です。

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【図-8】「イベント」の例

オレンジ色の「イベント」は、業務担当者が任意で必要に応じて起こす場合と、他の「イベント」からの展開によって起こされる場合、および定期的(タイマー等のようなもので)な展開によって起こされる場合があります。

草色の「イベント」はペアとなるオレンジ色の「イベント」が発生する事で、確実にそれに対する結果の報告(遂行されなかった場合も、「されなかった」という報告)が期待される「イベント」であり、草色の「イベント」が存在するということは、必ずそれと対をなすオレンジ色の「イベント」が存在します。

組織の業務における管理対象としての存在(箱のタイプ)を【表-1】にまとめます。

【表-1】 業務の管理対象として存在する業務要素

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今回は、業務の管理対象として1種類の「コア」のタイプと2種類の「イベント」のタイプがあり、計3種類の業務の管理対象としての存在タイプがあることを見てきました。

「コア」は「イベント」により起票されて顕在化し、「コア」が存在するからこそ組織が業務を完遂する為の「イベント」を起こす事ができるようになります。

次回は、これらの業務管理対象としての存在間の関係性(矢印)についてのタイプを見ていきます。

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