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ITや事務でもほしい診療情報管理士の資格

今回は、医療ITに関わる方、というか病院の事務スタッフの方が取得を目指してほしい資格である診療情報管理士について述べたいと思います。(医療IT、病院のシステム部門に直接関わる医療情報技師についてはまた別の機会に。)

病院で仕事をする上で、医師や看護師、その他のスタッフ(コメディカル)は、基本的に国家資格を持っています。ところが、実際の診療を支える事務方のスタッフにはその業務に就くためにそういった国家資格が求められるわけではありません。(民間の資格はあります。)

もちろんそういった資格がなくても、高い能力を発揮している方も大勢いますので資格があればという話ではないのですが、たとえば、病院のシステムを担当するスタッフであれば医療情報技師や上級医療情報技師といった資格を学会が認定している資格(上級になると面接まであってなかなかハードルが高いです。)は、ある程度の知識やスキルの判断材料になります。

そういった資格の一つに、診療情報管理士があります。

診療情報管理士は、日本病院会通信教育および日本病院会認定専門学校、大学にて統一されたカリキュラムで養成されており、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)および医療研修推進財団の共同で認定された資格となっています。認定校で取得するほか、2年間ほどの通信教育で取得することもでき、こういった教育プログラムが明確に決まっているのも特徴といえます。

この診療情報管理士、日本病院会では『医療機関における患者の様々な診療情報を中心に人の健康(health)に関する情報を国際統計分類等に基づいて収集・管理し、データベースを抽出・加工・分析し、様々なニーズに適した情報を提供する専門職種』[※]といっています。医療事務を理解した上に、さらに専門的な記録(がん登録や(DPC/PDPS〈診断群分類別包括支払制度にかかわる)や分析などを行うとでもいえばよいでしょうか。

特に学会などでの発表などを見ると病院が持つ様々なデータを分析し経営戦略などの策定を行うなど、その病院の活動に大きく影響を与えるような提言ができる方もいますし医師や看護師と事務方の仲立ちをしてより適切な診療や記録が行われるように調整することや、先のコラムで紹介したクリニカルパスの作成時、診療報酬の観点などからの助言や医療部門との調整をするなど非常に広範な分野で活躍しています。

単にがん登録などの作業に必要だからということではなく、実は優秀な診療情報管理士を確保、育成することはその病院の経営を向上させる上で大きな要素の一つといえます。

そして、この「診療情報管理士」という資格、病院の事務方は全員持っていても良いのではないかと個人的には思っています。また、システムに関わる方であれば医療情報技師の資格に加えて診療情報管理士を取得するのがとても良いと思っています。もちろん、単に資格さえ取れば良いということではなく、そこで求められている知識やスキルを身につけそれをベースに経験を積んでほしいということです。

私がそう考える理由は学習の内容などからです。
診療情報管理士を取得するには業務をしながらだと通信教育によることも多いのですが、そこでは基礎課程24単位、専門課程24単位の修得が必要とされています。

自ら行う学習に加え、スクーリングと科目試験が課されます。学習する分野は、基礎が、人体構造・機能、各分野の臨床医学、医学・療用語、専門が医療管理(病院管理、医療・介護保険、医療安全、医療の質管理)、保健医療情報、医療統計、診療情報管理に関わる法令、規制、実務(DPC、医療事務作業補助者、がん登録ほか)、国際統計分類などです。

こうやって並べてみるとかなり多いという印象ですが、病院での業務を進めていくうえで医師、看護師他と様々なやりとりをする際に重要なことは「共通の言語で話す、理解する」ということなのですが、それを実現するために必要な内容が網羅されていると思います。

実際に病院で業務を行う際には、これらの項目の理解が求められることになりますしこれらのものを全て独学で修得しようとするのは意外に難しいものです。さらに、資格取得後も教育や学会での交流の機会も多く、資格取得後も知識、スキル向上の機会が多いですし今身をおいている組織だけではなく、他の組織で働く人との情報交換などはとても役に立ちます。

このようなことから、事務を担う人は全員持っていてもいいかなと思うわけですが、システムの企画、開発、管理を行う上でも、こういった分野の知識やスキルを身につけていることは大きな力になりますので、システム部門の方でも、医療情報技師の資格取得とともに是非、取得を目指すべき資格だと思うわけです。

診療情報管理士は病院情報システムに蓄積されたデータを活用、分析などを行うことからも、システムに近しい存在ともいえ、システム部門としても協力して病院の業務に当たることで医師などの専門職ともきちんとやりとりのできる良い体制を作ることができます。

事務部門やシステム部門の能力を向上させるため、個人として組織として、こういった資格に目を向け取得をするといった試みをしてみてはいかがでしょうか?

実際に、診療情報管理士の方がどういったことに取り組んでいるか日本診療情報管理学会や医療情報学会の診療情報管理士のセッションを聞くことで知ることもできますので機会があれば是非1回聞いてみて下さい。

※一般社団法人日本病院会web診療情報管理士通信教育
 http://www.jha-e.com/

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