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TVでの違和感(画像システム)

最近も、医療現場を舞台にしたテレビドラマがいくつか放映されています。もちろんドラマとして見て結構面白く見てしまうのですが、なんとも誇張されたステレオタイプな(というか、視聴者に訴えるわかりやすいイメージがそうだということなのかもしれませんが)役柄が多く時々苦笑するような場面もあります。大きな病院、特に大学病院などを舞台にしたものは少し前の体制や病院のありようと現在の最新技術とまぜこぜにした感じとなっているような印象が強いものです。

そんな中でよく出くわす場面がいわゆるレントゲン写真やCT(コンピュータ断層撮影:Computed Tomography)などの断層写真をシャウカステン(裏面から照明を当てて写真を見る掲示板:Schaukasten)や掲示版に並べ多くの医師の集まるカンファレンス(診療の方針を検討する会議)で見ていたり手術室にたくさん掲示してある場面です。映像的には「いかにも」という雰囲気を醸しだしていることになるのですが、現在の大病院ではまずこういったことはないのではないかと思います。

舞台になるような大病院の場合、外来の診察でも手術などの場面でもこうした医療画像については解像度の高いモニタで画像を参照することが基本でフィルムはまず扱いません。フィルムを扱うのは患者持ち込みのもの位しかなくその患者持ち込みのものも最近はフィルムではなくCDやDVDなどに記録されたものが多くなってきています。そのような状況ですから外来で診察を行う各ブースにはおよその場合カルテや検査結果を見るHIS(病院情報システム)のモニタの他にCR(Computed Radiology:X線撮影画像)やCT、MRI(Magnetic Resonanse Imaging:磁気共鳴画像)画像を見るための専用モニタがあります。
(この分野だと、NANAOのモニタの評価が高いので、2M程度で医用画像表示モニタとして品質管理のできるモニタを見かけることも多いと思います。これが画像診断を専門に行う放射線部門だとさらに高解像度のものだったりします。)

これはそれぞれの画像撮影機器など(モダリティといいますが)がデータで画像を出力できるようになりその医療用画像はPACS(Picture Archiving and Communication System:医療用画像管理システム)でデータとして保存、管理されることが主流になってきていることによります。撮影した画像をすぐに参照できることで従来の撮影→現像→参照という手順を短縮。診療自体の迅速化などの恩恵は莫大なものです。

ですから診療、手術などの場面に本来あるべきものは多数のモニタや大画面のモニタということになります。さらにデータを包括的に扱うことでCTなど多数の断層を撮影できるものはそれを連続的に表示させることも可能となり患者の状態を把握するような使い方もします。こういったことはフィルムではできませんし、そういったデータから3D画像などを生成したり特定の画像処理を行って病気の患部をわかりやすくするような処理も可能となります。

フィルムは世の中で取り扱いが全くなくなっているわけではありませんが、現像のための薬剤や設備フィルム自体の管理に手間がかかるため大きな病院ではフィルムを使わない方向での対応が主流となっています。(診療所などで撮影されたものや、以前撮影したものが持ち込まれる場合がありますが、そういったものはそのままではなくいったんPACSに取り込んで診察時に参照します。)

さて、この画像ですがデータになっているからといってそれですべての問題が解決したわけではありません。画像のデータ形式の規格、データの保存、システム自体の機能、性能など多くの問題があります。

規格の問題は少し専門的なので少し別の例として増え続ける画像データをどうするか?という問題について述べてみます。画像を管理するPACSは乱暴にいえば写真アルバムのようなソフトウェアと大容量のストレージを備え電子カルテとも連携するデータベースということになります。PACSは診療の際に必要な画像が簡単に探せてなおかつ診断のできる状態でモニタに表示できなければなりません。医師はその画像の部妙な濃淡などを手がかりに診断を行うわけです。そのため「微妙な」ことがわかる画像のデータ量は当然大きなものとなってしまいます。(そもそも元々のフィルムも大きいものです)そうです、その膨大なデータを取り扱うのはとてもやっかいです。

また、システムについては特にストレージの容量の十分な確保も問題となっています。PACSの導入時にはそれまでのデータ量の増え方などからその後5年間程度のデータ発生量を予想してストレージ容量を決定する必要があります。十分な予算があれば余裕を大きくとった大容量のものにできますが高速な大容量のディスクを使用したディスクアレイは高価ですから容量について適切な値を求めることが経費の抑制につながります。

無駄に大きなものは導入しないことが効率的なので、通常そのようにします。ところが、医療の世界での技術進歩も非常に早く高解像度化さらに1回で撮影するデータの増大動画の保存の要求など想定を超えたデータ量の増加が起こっています。CTなどは大きな範囲を短時間で撮影するため、1回に多数の検出器によって撮影するマルチスライスCTでは最近は320列(つまり320枚の画像を1回で取得できる)ものもあります。
それに加え施術の状況や臓器の動作を記録した動画も多くなっており1枚のフィルムを見ていた時から想像を超えるようなデータを取り扱う必要が出てきています。そのため、システムそのものは十分に使える期間であるのに画像の保存容量が不足するということが起こります。

システム導入の際、その後の正確な保存容量技術革新による変化などの要因をすべて見極めることは現実には難しいのかもしれません。システム導入の際には、その病院に存在する機器や今後の導入計画なども参考に今後の利用状況を把握、対応したものを導入するだけでなくストレージの追加時の容易さや経費をあらかじめ確認しておくこと、適切な時期の更新や増強を想定して経費の確保をしておくことが診療への影響を少なくすることを認識しきちんと準備しておく必要があります。

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