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オープンデータからの知見(15)文京区 新社会人移動仮説編

データを活用するためのソフトウェアの発展と、データを処理するハードウェアの低価格化が、より大量のデータ分析やより高度な可視化を可能にしています。組織においてはデータからいかに知見を得て活用するかということが課題になっているのではないでしょうか。当社でもいかにしてお客様が持つデータを有用な知見に変えるかということに日々取り組んでおります。本コラムでは誰もが利用できるオープンデータの可視化から、どのような知見が得られるかを試していきたいと思います。

さて、当社では新地方公会計制度統一基準モデルに対応した財務会計システム「FAST」の提供も行っております。地方公共団体は学校や水道、ゴミ処理など私たちの生活に欠かせない公共インフラの管理運営など様々な事業を行なっています。「FAST」はその自治体の財務経営のサポートしているんですよ。先日は東京都文京区様を「FAST」のお客様事例として公開させていただきました。
お客様事例:「東京都文京区 様」スムーズな日々仕訳方式への移行をFASTで実現

そこで今回は文京区に関するオープンデータから何か新しい発見や知見が得られるかにチャレンジしたいと思います。

文京区は「文の京(ふみのみやこ)」というように大学が多く、また文を読むための出版、印刷業が盛んな地域だそうです。(ウィキペディアによると出版、印刷業は文京区の製造業出荷額の7割を占めるのだそうです)

まずは、住民の人口構成、5才階級別人口を見てみましょう
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20、30才台の人口が多い構成ですね、これは本コラム第6回目の東京都江東区 機械学習編で10種類に分類した人口構成パターンの大都市部に分類されます。

耐用年数の長い社会インフラの管理運営や保健福祉などの住民サービス事業を行う自治体の経営において人口構成の把握や予測はとても重要ですよね。
文京区は20才台を境に人口構成が急増する形で、逆さまの鏡餅のようですね。
本コラムの12回目の久留米市編でも紹介した機械学習を利用して文京区の人口構成に近い地域を日本中から探してみましょう( ^ω^ )
形の似ているものを調べるのに便利な「ユークリッド距離」の近い順に見ていきます

一口メモ
ユークリッド距離
聞きなれない言葉ですが、みなさんよくご存知の「三平方の定理」や「ピタゴラスの定理」と呼ばれる「斜辺の長さの二乗が他の二辺の長さの二乗と等しい」を使って計算するn次元における距離です。機械学習で大活躍しているんですよ。

2015年のデータを使い人口構成比が近い順にアニメーションにしたものが下図です。もっとも近かったのは東京都武蔵野市でその次は杉並区というように近い順に15番目までを表示しています。

euclidMapPyramid2.gif

都心への通勤に便利な地区が多いような気がするのですが、みなさんどう思いますでしょうか?
20才台人口が急激に増えることから考えて、これらの地域は新社会人生活のスタートに人気の地域なのではないでしょうか。文京区の移動人口集計のデータ(2015年国勢調査)を確認してみましょう
hcMoveCombo.png

左のグラフは5才階級ごとの転出と転入数で、右のグラフは転入から転出を引いた数で各年代が転入超過か、転出超過がわかります。文京区への20~24才の転入者は約6000人でした、転出者は1500人程度で圧倒的な転入超過です。さて、どちらから転入されているのでしょう?興味ありませんか?
まずは近くの東京23区からの転入を見てみましょう、東京23区からの転入は742名で転入者のだいたい8人に1人の割合です。

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世田谷区や杉並区からの転入が多いですね、世田谷区も杉並区も人口が多いのでなんとなく納得のデータですね。次は転入元の地域の人口で補正してみましょう。移動人口集計データは5年前の定住地を転入元としています。5年前、2010年の国勢調査の転入元地域の15~19才の人口を分母にしてデータを補正してみます。
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お隣の千代田区がトップに躍り出ました。色の濃い部分がまとまってきましたね、近隣からの転入が多いように見えるのは私だけでしょうか

東京23区外も見てみましょう。千葉から愛知まで帯状に色が濃いです、やはり人口の多い地域なのでなんとなく納得してしまいますね

moveInJapan1.png

こちらも、5年前、2010年の国勢調査の転入元15~19才の人口を分母にしてデータを補正してみてみましょう。みなさんも予想してみてくださいね

moveInJapan2.png

15~19才の人口を分母に補正するとだいぶ違う景色が見えてきますね。中部、北陸の色が濃くなりました。単位人口あたりでは石川県と富山県からの転入がもっとも多かったです。みなさんの予想はどうでしたでしょうか?
石川県と富山県は旧加賀藩ですよね、他にも石川県と富山県が同じ傾向を取るようなデータがあるのか興味のあるところです。

今回は文京区に関するオープンデータの可視化から、新社会人移動仮説にたどり着いてしまいました。 みなさんはなにか新しい発見はありましたでしょうか?

本文書記載の図は出典元WEBサイトで公開されているデータをジャパンシステム株式会社が編集加工したものです。

データ出典:e-stat 国勢調査

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