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オープンデータからの知見③(名古屋市中区 人口移動編)

データを活用するためのソフトウェアの発展と、データを処理するハードウェアの低価格化が、より大量のデータ分析やより高度な可視化を可能にしています。組織においてはデータからいかに知見を得て活用するかということが課題になっているのではないでしょうか

弊社でもビジネスインテリジェンスソリューションとして、いかにしてお客様が持つデータを有用な知見に変えるかということに日々取り組んでおります。

本コラムでは誰もが利用できるオープンデータの可視化から、どのような知見が得られるかを試していきたいと思います。

第3回目はジャパンシステム東海支店がある名古屋市中区のオープンデータから新たな発見や知見を得られるかチャレンジしたいと思います。

地図上部の人の住んでないグレーの3区分に金のしゃちほこで有名な名古屋城と愛知県庁があります。まさに愛知県と名古屋市の中心地といえるのではないでしょうか
中心地らしく人口の少ない薄黄色の区分もありますが、人口の多い赤い区分もあり居住区とビジネス区が近接した地域のようです。

nagoyaNakakuPopulation.png

名古屋市中区全体では2000年から2010年で64669人から78353人へと20%以上増加しています。

今回は人口増減の3つの要因(出生、死亡、移動)から移動をテーマにして進めていきたいと思います。
国勢調査(www.e-stat.go.jp)移動人口集計(5年前の常住市区町村データを基にした転入と転出のデータ)と以下の地図境界データを使って可視化してみましょう

市区町村境界データ:国土交通省国土政策局「国土数値情報(行政区域データ)」
都道府県の境界データ

nogoyaHm.gif

名古屋市中区に転入(IN)してきた地域と中区から転出(OUT)した地域に正の相関があるようにみえますね(私だけかもしれませんが)
上記のような色分けグラフは位置情報と数値を可視化するには適していますが、相関については別のグラフで確認してみましょう
転入を横軸に転出を縦軸にプロットしてみます。

hm2_01.png

転入超過と転出超過を見るために傾き1の直線(点線)を引いています。点線より上であれば転出超過、下であれば転入超過です。
名古屋市中区の転入、転出は傾き1(転入数と転出数が均衡)を中心に分布しており、先ほどのアニメーションでの印象どおり転入と転出が双方向に行き来しているようですね。

次はアニメーションでの区分(名古屋市内、愛知県内、日本国内都道府県)で詳しくみてみましょう。

hm2_02.png

まずは名古屋市内です。転入転出はすべて中区から他区への転出超過ですね。
プロット点に区名を重ねてみます。

hm2_03.png

範囲を愛知県内に広げて転入転出を色分けプロットします。

hm2_04.png青(愛知県内村)と緑(愛知県内他市)の点が転入転出が均衡していて、赤(名古屋市内他区)への転出超過ということがわかります。

hm2_05.png

範囲を愛知県外に広げてみます。都道府および他県については多数が転入超過ということが見て取れます。
都道府県名を重ねてみましょう。

hm2_06.png

赤(名古屋市内他区)、緑(愛知県内他市)、青(愛知県内他村)、紫(都道府および他県)に色分けしてプロットすると中区の移動人口(転入超過と転出超過)は転入転出先で特徴があることがわかります。

hm2_07.png

次は国勢調査2005年と2010年の年齢別人口データを利用して年齢別(5歳階級)の人口増減を計算してみましょう

hm3_age5_2.png

2005年に0-4才の人口が2000人だったとします。
自然減(死亡者)がなく、移動(転入転出)がなければ2010年の5−9才の人口も2000人となるはずですよね。
2005年の(X)才の人口と2010年の(X+5)才の差を増減(自然減と移動)として計算したものが下の図です。

hm3_age5_3.png

名古屋市中区データは2005年の0−4才が1912人で2010年5−9才が1586人でした。
300人以上が減少していますが、日本の0−4才児の死亡率は10万人に対して50〜60人とのことです。(年齢別死亡率データ出展:総務省統計局 日本の統計)
つまり5−9才の人口減少は大多数が転出したと考えてよいと思います。

名古屋市中区の転入転出についてグラフから読み取れる特徴は
・5〜14才若年層が減少(転出超過)
・女性は15〜29才が増加(転入超過)
・男性は15〜54才まで幅広い年齢層で増加(転入超過)
・女性男性ともに20〜24才が増加(転入超過)のピーク

5〜14才の未成年が一人で中区外へ引っ越しして新生活を始める、というケースは多くはないのではないでしょうか。また、地域間移動データにおいて他県から中区への転入超過、中区から名古屋市内他区への転出超過であることから以下の仮説を立ててみました。

「名古屋市中区に転入してきた男女が出会い、家庭を作り、名古屋市内他区に転出して子育てをする」

現在公開されているデータではこの仮説の発生頻度を確認することはできないのですが、チャンスがありましたらぜひ検証してみたいです。

中区の町丁区分ごとの人口構成と年齢別人口増減データを幾つか見てみましょう
図をクリックすると全区分データを参照できます(データロードに少し時間かかります)

nogoyaHm1.gif

今回は名古屋市中区に関する公開データの中のいくつかを可視化してみました。
なにか新しい発見はありましたでしょうか
次回はジャパンシステムの北海道営業所がある札幌市中央区の公開データを使って新たな発見や知見を得ることにチャレンジしたいと思います。

本文書記載の図は出典元WEBサイトで公開されているデータをジャパンシステム株式会社が編集加工したものです。

データ分析を考えるコラム一覧

注意書き
国勢調査には未記載などによる「不詳」データがあります。
属性による集計値(年齢階層別の集計値など)は「不詳」データを含みません。
2010年の国勢調査における「不詳」の発生状況

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